白く美しい歯は、第一印象を大きく左右する大切な要素の一つとされています。近年では、見た目の美しさだけでなく、口元の健康や自信にもつながることから、審美歯科という分野が注目されるようになってきました。
しかし、審美歯科とは具体的にどのような治療を指すのでしょうか。一般的な歯科治療とどう違うのか、なぜ関心が高まっているのか。
本記事では審美歯科の内容や目的、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
審美歯科とは
審美歯科とは、歯や口元の見た目を美しく整えることを主な目的とした歯科治療の分野です。具体的には、歯の色や形、歯並び、歯肉のバランスなど、外見的な印象を向上させる治療が含まれます。
例えば、ホワイトニングによる歯の漂白、セラミックによる補綴治療(被せ物や詰め物)、矯正治療などが代表的です。
これらの治療は、機能回復だけでなく審美性の向上も重視されており、患者様のQOL(生活の質)向上につながると考えられています。
一般歯科との違い
一般歯科は、むし歯や歯周病などの疾患治療や予防を主な目的としています。
一方で、審美歯科は健康な歯や歯肉に対しても、”より美しく見せること”を目的として治療を行う点が特徴です。例えば、セラミックの詰め物治療やインプラント治療も、審美性を重視した材料や技術の選択によって審美歯科の領域となります。
治療を受ける際は、ご自身の希望や症状を明確に伝え、どのような仕上がりを目指したいかを歯科医師に相談することが大切です。
審美歯科で行われる主な治療の種類と費用目安
ここでは、審美歯科で実際に行われる主な治療の種類について、具体的な方法や特徴、適応となるケース、セルフケアや予防のポイントまで詳しく解説します。
ホワイトニング
ホワイトニングは、歯の表面や内部に沈着した着色を専用の薬剤で分解し、歯本来の白さを引き出す治療法です。歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあります。
薬剤の濃度や実施方法などに違いがあるので、歯科医師と相談しながらご自身の希望にあうものを選びましょう。
費用は、オフィスホワイトニングは1回あたり約20,000円〜70,000円、ホームホワイトニングはマウスピース作製と薬剤を含めて約20,000円〜50,000円が一般的です。
セラミック治療
セラミック治療は、虫歯や外傷などで失われた歯質をセラミック素材で補う補綴治療の一種です。クラウン(被せ物)、インレー(詰め物)、ブリッジ(歯の欠損を補う治療)などがあります。
セラミックは、天然歯に近い透明感と色調を再現できる点が特徴です。生体親和性が高く、変色や摩耗が少ないため、長期的な審美性と機能性の両立が期待できます。
ただし、歯ぎしりや噛み合わせによっては破損リスクもあるため、治療前に専門的な診断が必要です。ナイトガードの併用など、予防的な対策も相談するとよいでしょう。
費用は治療の種類や使用するセラミックのグレードによって大きく変動します。詰め物(インレー)は1本あたり約50,000円〜100,000円、被せ物(クラウン)は1本あたり約80,000円〜200,000円が一般的な相場です。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、セラミック製のシェルを貼り付けることで見た目を整える治療方法です。前歯の色や形、すき間、軽度の歯並びの乱れを短期間で改善できるため、自然な仕上がりを求める方に適しています。
歯を削る量が比較的少なく、歯質の保存にも配慮された治療ですが、適応には限界があり、重度の変色や咬合異常には向いていない場合があります。
費用は1本あたりの価格で設定されていることが多く、約70,000円〜180,000円が一般的な相場です。
矯正治療
歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを整えることで、審美性とともに咀嚼機能や発音の改善も目指す治療です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正など方法が多様化しており、審美歯科の観点からは目立ちにくい装置の選択や、治療後のホワイトニング・補綴治療との組み合わせも検討されます。
矯正治療中は歯周病や虫歯のリスクが高まるため、歯科衛生士による定期的なケアとセルフケアの徹底が非常に重要です。
費用は治療範囲(全体か部分か)や装置の種類によって大きく異なります。部分矯正で約200,000円〜800,000円、全体の矯正で約700,000円〜1,500,000円が目安です。






