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根管治療とはどんな治療?必要となるケースや治療の流れ、費用も②
各院ブログ
2025/12/23

根管治療の一般的な流れと治療期間

ここでは、根管治療の一般的な流れや治療期間について、各ステップごとに詳しく解説します。

ステップ①:精密検査・診断(レントゲン、歯科用CT)

根管治療は、まず正確な診断から始まります。レントゲンや歯科用CTを使って、歯の内部や周囲の骨の状態を詳しく確認し、感染の広がり具合を見極めます。

検査によって、どの根管を治療する必要があるのか、また歯を残せるかどうかを判断していきます。

ステップ②:感染した神経や歯質の除去(抜髄)

次に行うのは、感染や炎症を起こした神経や、むし歯に侵された部分を取り除く処置です。これを「抜髄」と呼びます。

ほんの少しでも感染した組織が残ってしまうと再発の原因になるため、丁寧で精密な作業が求められる、とても大切な工程です。

ステップ③:根管内の清掃・消毒(根管拡大・形成)

歯の根の中は非常に細く、入り組んだ形をしています。そのため、専用の器具を使って根管を少し広げながら、隅々まで清掃・消毒を行います。

残っている細菌や汚れを徹底的に取り除くことで、再び感染が起こるのを防ぎます。

ステップ④:根管への薬剤の充填(根管充填)

きれいに消毒した後は、根管の中に薬剤や充填材をすき間なく詰めていきます。これによって細菌の侵入を防ぎ、歯の内部をしっかりと封鎖します。

充填が不十分だと再発につながる可能性があるため、慎重に時間をかけて処置が行われます。

ステップ⑤:土台の構築と被せ物(クラウン)の装着

根管治療を終えた歯は、内部が空洞になっているため脆くなりやすい状態です。そのままでは噛む力に耐えられないので、まずは補強のための土台(コア)を作り、その上から被せ物(クラウン)を装着します。

これによってしっかり噛める力を取り戻し、長く歯を使い続けることができるようになります。

治療にかかる回数と期間の目安

根管治療は一度で終わるものではなく、一般的には2回から5回ほどの通院が必要です。治療期間は短ければ1か月程度、症状が重かったり奥歯のように複雑な根管を持つ歯では、数か月に及ぶこともあります。

治療の合間には仮の詰め物で封をして、再び細菌が入らないように配慮しながら進めていきます。

根管治療の費用|保険適用と自由診療の違い

ここでは、根管治療の費用について、保険診療と自由診療の相場や治療の質に関わる機器、被せ物の種類、医療費控除の対象になるかなど、具体的なポイントを詳しく解説します。

保険適用の根管治療の費用相場

保険診療での根管治療は、国が定めた診療報酬に基づいて費用が決まります。前歯・小臼歯・大臼歯で費用が異なり、3割負担の場合、1本あたり約2,000〜5,000円程度が一般的です。

ただし、これは根管治療自体の費用であり、最終的に装着する土台や被せ物(クラウン)の費用が別途必要です。

すべて保険適用で行った場合でも、総額では1本あたり1万円〜2万円程度になることが一般的です。

自由診療(精密根管治療)の費用相場

自由診療では、より精密な治療や高品質な材料を選択できるため、費用は高額になる傾向があります。1本あたり約7万円〜15万円程度が目安ですが、治療内容や医院によって差があります。

治療内容や費用については、事前に歯科医院で詳細を確認し、納得したうえで選択することが大切です。

治療の質を高める精密機器(マイクロスコープ、ラバーダム等)

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)やラバーダム(治療部位を隔離するゴム製のシート)は、根管内の細部まで確認し、感染リスクを下げるために用いられます。

これらの機器を使用することで治療の精度が向上し、再発リスクの低減が期待できます。自由診療ではこれらの機器が積極的に導入されていることが多いため、治療前に使用機器について質問すると良いでしょう。

被せ物(クラウン)の種類と費用

根管治療後は歯の強度を補うために被せ物(クラウン)が必要です。保険適用の場合は銀歯や一部の白い材料が選択できますが、自由診療ではセラミックやジルコニアなど審美性・耐久性に優れた素材も選べます。

費用は保険適用で数千円、自費では数万円〜十数万円程度です。素材ごとの特徴や費用について、歯科医に質問し、自分に合った選択をしましょう。

医療費控除の対象になるか

根管治療や被せ物の費用は、医療費控除の対象となる場合があります。1年間に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告で控除を受けられる可能性があります。

領収書の保管や、控除の申請方法についても歯科医院で確認しておくと安心です。