虫歯の進行段階と症状
ここでは、虫歯の進行度や特徴、他の疾患との違いについて詳しく解説します。
初期虫歯のサイン
初期の虫歯は自覚症状がほとんどありませんが、歯の表面が白く濁ったり、ツヤがなくなるホワイトスポットが現れることがあります。これは歯の表面のエナメル質が酸によって溶け始めたサインです。
この段階であれば、適切なブラッシングやフッ素塗布によって再度固く修復する再石灰化が期待でき、削る治療を避けられる場合があります。
C1~C4の進行度と特徴
虫歯の進行はC1(エナメル質のみ)からC4(歯の大部分が溶けて根だけが残った状態)まで段階的に分類されます。
C1では痛みはほぼなく、C2で象牙質に達すると冷たいものや甘いものがしみることがあります。C3は神経(歯髄)まで進行し、何もしなくてもズキズキするような強い痛み(自発痛)や腫れが生じることがあります。
C4では歯の大部分が失われ、痛みが一時的に消えることもありますが、放置すると重い感染症につながる可能性があります。
進行による痛みや見た目の変化
虫歯が進行すると、歯の色が黒ずんだり穴があくなど、見た目の変化が明らかになります。
また、冷たいものや甘いものがしみる、噛むと痛む、ズキズキと何もしていなくても痛みがある自発痛が出るなど、症状が段階的に強くなります。
早期発見・早期治療が重要であり、違和感を覚えたら早めに歯科医院を受診しましょう。
虫歯になりやすい人の特徴
ここでは、虫歯になりやすい人の特徴について詳しく解説します。
歯並びや詰め物の影響
歯並びが悪いと、歯と歯の間に汚れがたまりやすく、ブラッシングが行き届きにくくなります。
また、過去の虫歯治療で詰め物や被せ物が入っている場合、わずかな隙間から細菌が侵入しやすくなることがあります。これらの部位は再発虫歯(二次う蝕)が起こりやすいため、歯科医院で定期的にチェックを受けることが重要です。
唾液量や体質の違い
唾液には、口腔内の酸を中和したり、細菌や汚れを洗い流したりする重要な働きがあります。
しかし、加齢や薬の副作用、ストレスなどによって唾液の分泌が減少すると、虫歯リスクが高まります。「口が乾きやすくなった」と感じた場合は、歯科医院で唾液検査や生活習慣のアドバイスを受けることができます。
年齢やライフステージごとの注意点
例えば、子どもは乳歯や生えたての永久歯がまだやわらかくて、虫歯になりやすい傾向があります。
一方、高齢者は歯ぐきが下がって歯の根本が露出し、歯の根にできる虫歯(根面う蝕)が増加しやすいです。
また、妊娠中や更年期にはホルモンバランスの変化で口腔環境が変わりやすくなります。年齢やライフステージに応じて、歯科医院で「自分に合った予防法」や「定期検診の頻度」について気軽に相談してみましょう。